
OKRとは?
OKRは「Objectives and Key Results(目標と主要な成果)」の略。
目標(Objective)と、それを測るための成果指標(Key Results)をセットで定義する、シンプルかつパワフルな目標管理の方法です。
- Objective(目標):達成したい方向性やゴール。チームにインスピレーションを与える、やや抽象的で野心的な内容。
- Key Results(成果指標):Objectiveの達成度を測る定量的な目安。1つのObjectiveに対して3〜5個設定するのが一般的。
例:
Objective:ユーザー満足度の高いプロダクトを提供する
Key Results:
- NPS(ネットプロモータースコア)を40以上にする
- 月間アクティブユーザー数を20%増加させる
- ユーザーサポートの平均返信時間を1時間以内に短縮する
OKRの使い方・導入ステップ
OKRはただ書くだけでは機能しません。運用のプロセスも大切です。
- トップレベルのOKRを定める
会社や事業全体の方向性に沿ったObjectiveを設計し、それをもとに部門やチーム、個人のOKRへと展開します。 - 四半期ごとに運用する
スピード感と柔軟性を保つため、OKRは3ヶ月単位で設定・見直しを行うのが基本です。 - 社内で透明に共有する
誰がどんなOKRを持っているか、全員が見える状態にします。これにより、連携や応援がしやすくなります。 - 進捗を定期的にチェックする
週1回などの頻度でKey Resultsの進捗を確認し、問題があれば早めに軌道修正します。
どんな会社に向いている?
OKRが効果を発揮しやすいのは、以下のような組織です:
- 急成長中のスタートアップ
組織の拡大に伴う情報のズレや認識違いを防ぎ、チームをひとつの方向にまとめます。 - 自律的なカルチャーを育てたい企業
社員一人ひとりが「自分の目標」に責任を持ち、成果を意識して動く文化をつくるのに向いています。 - 目標が曖昧になりがちな職場
日々の業務に流されがちな環境でも、「本当に大事なことは何か?」に立ち返るフレームになります。
一方で、業務がルーチン化していてトップダウンの指示が中心な組織では、OKRは馴染みにくいかもしれません。
まとめ:OKRは、組織のエネルギーを一点に集中させる武器
OKRは、単に目標を数字で管理するツールではありません。チーム全体が「どこに向かっているのか」を共有し、主体的に動ける状態をつくるための仕組みです。
まずは小さな範囲で試しながら、「やりながら学ぶ」スタンスで始めてみるのがおすすめ。慣れてきたら全社的に広げていけば、組織全体の推進力が大きく変わるはずです。